keta_chopの日記

まどマギの感想を書くためだけに立ち上げたのでどうなるかわかりません。

【叛逆ネタバレ有】私見:佐倉杏子について #YOME_LOVE

もはや12月。されど12月。
『劇場版魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語』が公開して早38日となりました。
急激に冷え込んできた毎日ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。私は安定の杏子厨です。つい先日、9回目の叛逆鑑賞をしました。
9回目っておかしいんじゃないかと一瞬思ったのですが、検索してみたところまどマギ好きの間では珍しいことではないようです。まあ、内容が内容ですしね。仕方がないですね。映画館に聖地巡礼していると言っても過言ではないでしょう。むしろ毎週の礼拝?的な??ね???

えー、それはさておき、ユーホさんに「好きなキャラ語ろうぜ!」って誘われたので、杏子について語ります。
『girl! vol.2』でも『girl! vol.3』でも語ってtogetterでもザ・インタビューズでも語ってるのにまだやるんですか?
はいやります(即答)。
想いは重いってガハラさんも言ってたので、重くても許して下さい♡
また、後半は叛逆についても当然触れているので、見たくない方はお気を付け下さい。
この企画、私以外にも25人のおたくが毎日自分の好きな子についてアツい文章orイラストを投稿していく予定です。めっちゃたのしみ!(好きなキャラ #YOME_LOVE Advent Calendar 2013

WHO IS 佐倉杏子

なに寝ぼけたこと言ってんだって感じですが、念のためにですね?説明させてください。知っている方は読み飛ばしましょう。
佐倉杏子とは……

マミの縄張りを狙い、別の町からやってきた魔法少女。いつも何かを食べている。周囲の被害を鑑みない利己主義者。(TV版公式サイト

隣の町からきた魔法少女。他の誰かの為に魔法を使うさやかに反発していたが、自分と似ていることから気をかけるようになる。
そして、魔女と化したさやかを救うために自らの命をかけた。まどかの願いがかなえられた世界で魔法少女を続けている。(叛逆の物語公式サイト

そんなキュートな女子中学生(※ただし基本ホームレス)です。
八重歯がチャームポイント!
f:id:keta_chop:20131202171547j:plain
登場シーンではだいたいなにか食べてます。もぐもぐかわいい。
f:id:keta_chop:20131202195029j:plain
TV版放送当時の2011年、そのうつくしい赤髪を流星のごとく靡かせて現れたときから、ずっと私の心を占めてやまない女の子。それが彼女、佐倉杏子なのです。

なお、こちらのMADには杏子のかわいさと作者の狂気がぎゅっと詰まっておりますので、興味のある方はぜひ……!



杏子の魅力とは

そう聞かれればいろいろとあるのですが、たぶん重要なのは「わるものになりきれない子供」「情け深い」というところです。

正義の味方にあこがれて

「もしかして、あの魔女を真っ二つにしてやったらさ、中からグリーフシードの代わりに、さやかのソウルジェムがポロッと落ちてくるとかさ……そういうもんじゃん。最後に愛と勇気が勝つストーリーってのは」
「あたしだって……考えてみたら、そういうのに憧れて魔法少女になったんだよね。すっかり忘れてたけど、さやかはそれを思い出させてくれた」

そう言って、杏子は魔女になってしまったさやかを助けるためまどかに協力を乞います。
父親のために魔法少女になったのに、当の父親は魔女と詰った挙げ句杏子以外を巻き込んで一家心中。他人のために願い戦うことの危うさを刻みつけて、自分が生きるためだけ、利己的に魔女を狩ってきました。
そうしてきても、根っこまでは変わらなかった。変えられなかった。正義の味方として戦おうとするさやかに過去の自分を、さらには「正しさ」を何より信じていた父親を重ねて、叶えられなかった未来を夢見る。そんなまっすぐな杏子のきもちがこもったことばが、この台詞です。

「独りぼっちは、寂しいもんな」

結局、杏子のそんな願いは叶いません。
魔女は魔女でしかなくて、杏子は自身のソウルジェムを破壊することで魔女とともに消え去ります。自爆です。
自爆……そう、自殺なんです。冷静に考えてみれば、まどかを助けに来たほむらと引き下がって態勢を立て直してからもう一度来れば杏子は自爆せずに、魔女だけを退治できたのではないか。そんな疑問が浮かびます。
しかし、あの場で杏子は自爆を選びました。それは「独りぼっちは、寂しいもんな……いいよ。一緒にいてやるよ。さやか……」というセリフに見られるようにさやかへの祈りです。恭介が見てなくともさやかのがんばりは自分が見ていたよ、という。
自分が魔女化してしまってからでは、あるいは杏子が魔法少女のまま退治してしまっては一緒にいられません。違う存在のままです。だから杏子は、自分もさやかも、たましいが砕け散ってしまうところまで付き合うしかありませんでした。そしてそれは同時に、過去の自分の救済でもあります。父親を救えず自分だけが生き残ってしまった、絶望することもできなかった自分の救済。
どんなにエゴイスティックなものであっても、散っていった彼女の行動すべてがかなしくて、いとおしい。私はそう思います。ひどい趣味ですが。
f:id:keta_chop:20131202180037j:plain
ちなみに、↑の杏子はTV放送版のものですがBD版*1ではまなざしを伏せ、よりやわらかい表情に変更されているんです。TV版は目の前のさやかをしっかりと見つめており彼女の決意が感じられますし、BD版はそちらよりも一緒にいたいという感情のほうがより強調されていますね。
これに限らず変更点が多すぎるので、TV版収録したBDとか出たら買いますよわたし(チラッチラッ

夢のなかの物語

ここまではTV版ないし総集編映画までのお話です。
さあ、叛逆の物語に入りましょう。

杏子の変化

もともと、杏子は時間が経つにつれて行動も声音も、どんどんやわらかくなっていました。TV版だけでもそうですし、TV版とほぼ同じ内容のはずなのに総集編映画のほうがさらにやわらかかったり……。「こんなにやわいのに叛逆ではどうなってしまうん?(´・ω・`)」そう杏子ファンは思っていました。
そうしたら……

f:id:keta_chop:20131202195620j:plain
えっ?
f:id:keta_chop:20131202195924j:plain
えっ??
ものすごく……甘えんぼです……。

さやかと同居していることにも動揺しましたが、それはまだわかります。杏子がほかのみんなと学校へ来て関わるために必要なことです。まだ、まだわかります。
ですが、ことあるごとに「さやか~」と呼び追いかけっこをし、マミさんには「えー、あたし酸っぱいのやだなあ」とお茶の好みを甘えた声で告げているとはどういうことですか!!?

しあわせな世界、だからこそ

本当に夢を見ているようでした。
二次創作や版権イラストでしか見られなかった、たのしい、しあわせな光景でしたから。
一部では「視聴者に媚売りすぎ」だとか「キャラが違う」などと言われていたようですが、それは違います。これも杏子の一面なんです。
家族もなく、ひとりぼっちで生きてきた杏子が、誰かと同じ屋根の下で寝起きをともにし、学校や帰り道、ナイトメアと戦うときも寄りかかれる相手がいるというのは、どれだけしあわせなことなのでしょう。考えるべくもありません。
いままで寄りかかれなかった分、寄りかかっているだけなのです。
それが許されるあの世界は、杏子のもうひとつの顔を見せてくれたあの世界は、すばらしくかがやいた場所でした。
f:id:keta_chop:20131202172712j:plain*2

おわりに

自身の情け深さを覆い隠しながら必死に日々を生きている姿と、それゆえに至ったあの結末。シリアスな要素が彼女の魅力の大半でした。
ですが、叛逆以降はそこを踏まえた上で現れた新しい*3杏子が、さらに私を捉えてやみません。コロコロ変わる表情がかわいすぎますし、でれでれした甘えた声もかわいすぎます。

叛逆を見た方ならおわかりでしょうが、杏子は今回の物語でさやかと想いを通わせ、ほかの魔法少女たちと仲良くできて、しあわせになれました。「TV版から紡がれてきた佐倉杏子の物語」はもう決着がついたのです。ハッピーエンドの物語として*4
ですが、だからこそ、次こそは杏子がほむらを救う側として手助けができるのではないかと思うのです*5。ほむらもまた、杏子と似たもの同士なのですから。

もう、杏子に誰かをかなしみのなか看取らせたくありません。
次こそは、杏子とその周りの人々がしあわせであれますように。
そう願って今回は筆を置きます。最後は話がずれましたが、杏子の魅力がほんの少しでも伝われば幸いです*6

f:id:keta_chop:20131202181424j:plain

*1:更に余談ですが、BD版9話はうめ先生書き下ろしイラストかつ、wowakaさん作曲のED「and I'm home」が挿入されています。必見です。

*2:これに近い姿がまさか本編で見られるとは……ううっ杏子かわいい……

*3:というよりも隠れていた別の一面と言ったほうが適切かもしれません。

*4:不幸せな中であがいて死んでいった彼女に惹かれたわたしからすれば、それは一種の決別でもありました。

*5:魔女化したあと、頭のないほむらの頤にそっと触れるシーンは胸が痛みます。

*6:できることなら全キャラと杏子の関わり(特にほむら)を書きたかったんですけど、さすがに時間がありませんでした。いつかリベンジしたいですね!